細田さんたちが来られて、もう2週間近くになります。
………有坂さんが間をとり、ファーレさんが、洋服や食料などを 調達しては、毎日、カフェの方々に気を配って下さるので、 それほどの不自由もなく来られているものの。
細田さんは、 あいかわらず、毎日、三食、食べにやってきては、 なにかしらカフェの備品を壊して行かれるので、 こちらは段々、食事が喉を通らなくなってまいりました。
まぁ、食べても食べなくても、 物の味が解らない感じなので、別にもうどちらでもいいと、 自分でも思わぬではないのですがねぇ…………(苦笑) 食べぬと駄目だと、昨日は刃さんに、サンドイッチで、 窒息死させられかけました(笑)
こんな状況なのに………ほんとうに、皆さん、良い方ばかりで。 私は、頭が下がるばかりです。
しかし、だからといって。
カフェでお過ごしの皆さんは、 私を責めるようなお言葉は一つも仰いませんが、 このようなままで、 埒もなくいつまでも皆さんを拘束させておいて、よい訳もない。
さりとて、名案が浮かぶ訳でもなく、 無駄に日々を過ごしているのかと思うと、 焦りともどかしさで、頭の中がおかしくなりそうです。
………とか、誰かに、弱音を吐きたくて、 私は日誌を開いているというわけだ。 情けない兄上ですよね、ほんとうに、私は。
ねぇ、涼?
………満月が近づいているせいだな。 あの子の気配が、 体のすぐ側に感じられて、なりません。
どこにいても、思う気持ちならば、あらゆる制約を超えて、 繋がっておられるはずだから。
涼………。
早く帰ってきて欲しいという思いと、 あなたはもう私のもとには戻らぬ方が良いのではないかという 思いと、両方に挟まれて私はぺちゃんこになりそうだ。
あと、ただ一度だけでいい。 私の元から飛び立ってしまうのならば、 あなたの頬に髪に。
ちゃんと触れて、その感触を刻み込んでからにして欲しかった。
涼。涼………涼!
駄目だ。
そうして、私はまた、泣いて、それだけか。 ほんとうに、どうしようもないな。
もう………胃がひっくり返りそうだ……… たまらないや………!
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