++天空カフェ日誌++


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* 2005年7月28日(木) 宮さまの日誌を
* 2005年7月28日(木) 消えゆくもの
* 2005年7月27日(水) またあの声を
* 2005年7月25日(月) 蘇芳さまのご来店
* 2005年7月24日(日) 例えば

蘇芳さまのご来店




 今朝早く、細田さんの包囲をいとも容易く破って、
蘇芳さまがお越しになりました。
 有坂さんが人質に取られておられたのには、
驚きましたが、
 もたらして下さったお話は、それ以上に驚くような事です。


 涼は、ここを出て、蘇芳さまのお屋敷に匿って戴いていたこと。
あの子が、盗んだご神鏡を使って、奪われた闇帝の力に匹敵する
 力を得るために、何かしていたらしいこと。
その為に、イサクさんに力を奪われてから、
 唯一の武器であった、符さえ、使えぬようになっていたこと。

 そして、本当は、ここへ戻ってくるつもりだったらしい、
21日の満月を前に。

 あの、イサクさんに、さらわれてしまった事も………!

どれも皆、とてもいま、私たちが知りたかった話ばかりだ。
 
 正しい情報が入って、風逢さまは、目をキラキラさせて、
蘇芳さまと話し込んでおられました。
 蘇芳さまも、
お戻りの前には、なにやら、刃さま、萵苣さまと、
 ご一緒に何か相談しておられたのですが………


 けれど、私は、半ば放心していて、お話になっていた内容の、
ほとんどが頭の中に残っていないような、なんとも情けない有様です。


 よりにもよって、こんな時にあの人が、出てくるとは………
あの人が。
 …………イサクさんが。


 考えれば、でも、あの人が目覚めたことに、
涼が何も気付いていなかったとは思えない。
 涼はきっと、イサクさんが自分のかけた呪を破って、
目を覚まされたことに気がついて、
 それで、慌てて最終手段として、ご神鏡に手を出したのでしょう。


 けれど、事を成す前に、捕らえられてしまった。
しかも、何の防御手段もない、最悪の状態で………!


 あぁ。
こんな時に、私に出来ることといえば、何もない!
 あの子を探して助け出しに行きたくても、
店から外に出ることすらできない。

 私というものは、一体、なんであの子の兄に生まれたのだろう。
あの子は、その身の全てを投げ出してでも、
 いつも、私を護ってくれるのに。

 私に出来ることといえば、
ここで頭を抱えることだけなんだ。

 ましてや、細田さんが言うように、
私は、あの子のお荷物にさえなっている。

 有坂さんのように、あの子を取り戻すと、
どうして言えない。


 いいえ…………解っている。
私は、考えているんだ。

 長く………あの人と、まとまった日数を共に過ごせば。
私といるよりも、もしかしたら、あの子には、あの人と………
 イサクさんと居る方を選ぶかもしれないと。

涼があの人のことを、これまでの誰に対するよりも警戒して、
 必死に力を取り戻そうとしていたのは、
きっと、あの人が…………怖いんだ。


 あの子にとって、あの人は、きっと、一番、苦手で、
理解不能で、
 そして………


 惹かれてしまう。
心を、預けられる相手だと、もう、気付いてしまっているから。

 恋のとばぐちにいて、あの子は私のために、
必死にそれを否定していたに違いないから。

 今頃、どのくらいもの狂おしい思いをしているだろう。
………そう、どのくらい………


…………今日は、もうこの日誌を書き続けられる気がしません。
 このあたりで筆を置きましょう。


 明日。
もう少し、頭の中の整理をしようと思います。
 まだ、どうも、落ち着きが取り戻せていないんだな、
だから、仕様もないことばかり、考えてしまうんだ。
 何事も悪い方へ、悪い方へとそろばんを弾いて。

今日はもう寝た方がいい。 
 明日、もう一度、ちゃんと考えよう。


そう、明日には………もう少し………
2005年7月25日(月) No.43

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